クールなご主人様は溺愛中
それじゃあ、尚更近くにはいられない。


「里奈、また、俺のそばにいてよ。
里奈の作った夜食、また食べたい。
近くで笑顔を見ていたい。

母さんのことなら俺が何とかするから気にするな。
だから、な?」


そんな真剣な瞳で訴えられたら、自分の気持ちをおさえつけることなんてできなくて。


「っ、好き」


溢れた気持ちが口に出てしまう。


「うん」


「大好き」


ぎゅうっと抱きしめられて、止まってたはずの涙がもう一度溢れてくる。


自分の服が濡れるのも気にせずに、冬夜くんは私が泣き止むまでずっと抱きしめてくれてた。
< 238 / 268 >

この作品をシェア

pagetop