クールなご主人様は溺愛中
「おまたせ!」


ドアをノックして入ると、もう既に準備を終えた冬夜くんがいる。


「......かわいい」


第一声にそんなことを言うから、私も頬は赤く染まる。


「行こ」


2人で家を出れば、スっと手を取られる。


絡められた指に意識を意識しないように冬夜くんの隣を歩く。


今日は、私のパーティドレスを選ぶために一緒にブティックを訪れた。


スタイリッシュな外観と、出てくる人の上品な服装に怖気付いてしまう。


「ほら、行くぞ」


こんなお店初めてで、硬直している私を冬夜くんが引っ張ってくれる。


「あ、星野宮様、お待ちしておりました」


「この子のパーティドレスを頼む。主役のやつで」


え、今度のパーティの主役は冬夜くんでしょう?


そう思い見上げれば、思いが伝わったのか


「主役の俺の相手も主役だろ?」


そう言われてしまった。
< 247 / 268 >

この作品をシェア

pagetop