クールなご主人様は溺愛中

クールなご主人様

「大きい......」


メイドになることが決まった次の休日、私はその家にやってきた。


「......よしっ」


荷物が全部入ったカバンを持ち直して、インターホンを鳴らす。


鳴り響いた電子音とともに、門が開いた。


「おじゃま、します......」


ドアまでの一本道を歩く。


1歩踏み出す事に、不安が大きくなった。


ドアの前には、燕尾服を着た男の人が1人。


立ち姿も、雰囲気も、ベテラン執事って感じがする。


「澄野里奈さんでございますね?」


落ち着いた声で話しかけられ、私も背筋を伸ばす。


「はい。今日から、よろしくお願いします」


お辞儀をすると、執事さんは穏やかに笑った。


「では、ご説明いたします。あ、お荷物は預かります」


「ありがとうございます」
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