クールなご主人様は溺愛中
「里奈が無事で、良かった」


「冬夜くん、ありがとう」


笑ってお礼を言うと、冬夜くんがまた息をつく。


「抱き締めてぇ」


冬夜くんが素直なのって、だいぶ弱ってる時だよね。


「......」


「おい、黙んな」


「いいよ」


「え」


「もう、怖くないから」


そう言うと、冬夜くんにぎゅうっと抱きしめられる。


「ほんと、よかった」


「ふふっ。ありがとう」


まるで私がここにいるって確かめるみたいに、強い力で抱きしめられる。


心臓の音がうるさい。


ありえないくらい、早く動いてるのがわかる。


離されると、なんだか寂しいような感覚に陥った。


「帰るか」


「うん」


変な人に絡まれるから、歩いて帰るなんて言うんじゃなかったって後悔してたけど、
結局楽しかったって思えてるのは、冬夜くんが私の手をぎゅっと握ってくれてるからかな。
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