続・拗らせDKの偏った溺愛


手拍子が終わり、演武も終了です。

すべてのクラスの掛け声や演武が終わるまでは静かに待つ決まりです。





騒がしかったグラウンドに一瞬の静寂が。

次の瞬間ドッと歓声が上がりました。

拍手をしたり、隣の子と抱き合ったり、お互いの応援がうまくいったことを喜ぶ声でグラウンド内が満たされています。


「おい、美咲・・・これで応援合戦とかいうのは終わりか?」


「はい!すごく素敵でしたね!!」


練習の時よりずっと上手にできたのが嬉しくて、ちょっと興奮気味なお返事になってしまったことはお許しください。


「応援旗も飾っているときより動きがあったほうが竜虎が生き生きとしてて!すごくカッコよかったですね!」


思ったことを言っただけなのですが、


「なっ、おまっ」


そう言ったきり竜也くんは顔を背けてしまわれました。

私、なにか言ってしまったでしょうか???


「竜也、わかってると思うけど美咲ちゃんが言ってるのはあくまでも旗のことだからね?」


さきほどまでの苦笑いはどこへやら。

どことなくうれしそうなお顔で虎谷くんが竜也くんに声をかけられています。


「そ、それくらい、わかってるっつーの!」


やや顔を赤らめた竜也くんが必死で言い返す姿は、いつぞやに拝見した仲の良い兄弟のやりとり風です。

この微笑ましいやりとりは何度拝見しても心がほっこりします。

< 18 / 34 >

この作品をシェア

pagetop