続・拗らせDKの偏った溺愛


今思えば、2年生に進級する直前の春休みあたりから、私の生活は変わり始めていたのかもしれません。

あの日は眼科へ行き、生まれて初めてのコンタクトレンズをもらって、弾む気持ちで家へと帰っていました。

その帰宅途中のことです。

これまた、生まれて初めてひったくりにあったのです。

とてもびっくりしましたが、なんとか未然に防ぐことができました。

ただ、つい体が動いてしまって。

ひったくり犯の一人を足技でバイクから蹴り落してしまったのです。

あぁ・・・あれは女子高生にあるまじき行為でした。


ともあれ、なんとか私が蹴り落してしまった方が地面に激突するのを自身の身を挺して防ぎましたので、被害といえば私の眼鏡くらいでした。

残念ながら眼鏡は修理もできないくらい粉々になってしまいましたが、これがあのひったくり犯の方や私の体でなくてよかったです。

帰宅後はコンタクトレンズを装着して、道場にいる父に報告を兼ねてお披露目に行きました。

父は一人娘ということもあって、私に対しては変なフィルターがかかっているらしいのですが、コンタクトレンズにした私を見たときは、


「うわぁぁぁ~~~!!なんだ、美咲のその可愛さは!!父さんは心配だ!メガネはどこだ!?メガネに戻せ、美咲!」

なんて親バカ全開で騒いでいました。





それも今となっては遠い思い出のように感じます。


< 2 / 34 >

この作品をシェア

pagetop