離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 引いていこうとしていた熱がまた一気に高まった。きっと今、私の顔は真っ赤に染まっている。

「よしよし、ふーちゃん。怖い夢でも見たのか? パパがいるから大丈夫だよー」

 楓花に語り掛ける智秋の声は、私が聞いたささやきとまったく違うよき父親のものだ。

 そんなにギャップがあるなんてずるいと思う。

 父親としても夫としてもときめきすぎて、しばらくまともに智秋の顔を見られないかもしれない。

 彼のいろんな一面を知れたのはいいが、自分の心臓がもつかどうかという幸せな心配をしてしまった。

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