OLユンファ。闇の左手第二巻。
ヤスパースの枢軸時代の話題となる。
枢軸時代とは、論語やギリシャ哲学、旧約聖書といった、人格形成の基本となるテキストが生まれた時代だ。

あたしはタロット占いからヤスパースに入るのが良いのではないかと指摘。

「しかし、テキストとは何だろうな?」
「人が覚えられる記憶には限りがありますから、たとえば東洋では四書五経、西洋では聖書が基本テキストとなりました」
それから、巫女姫テトは、ヤマトの稗田阿礼の誦習していたものを、元明天皇の勅により、太安万侶が選録した古事記の例を挙げた。奈良時代の出来事である。

「和銅五年、西暦にして712年のことでした」テトは莞爾。
「文化は大切だよね」
「過去の先人が残したものですからね」

苦労して巫女姫テトも調べたにちがいない。あたしもこのテキストを書くときには苦労して国語辞書やネット検索を引いている。誤字や誤解を引き起こさないためだ。
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