首取り様1
だからこんな足跡はつくはずがないんだ。


「俺達の後にここに来た奴らがいるってことか」


大輔がつぶやく。


それにしては素足でこんなところに来るのは思えない。


しかも濡れた素足でだ。


ちょっと考えられなくて誰もが黙り込んだとき、慎也が歩き出した。


「足跡がこっちに続いてる」


アスファルトをしっかり見ていると確かに足跡は続いているようだ。


転々とついているシミを6人で追いかける。


この先になにがあるのか想像するだけで寒気がしてくるけれど、昼間だということも手伝って誰も足を止めなかった。


が、途中で慎也が止まってしまった。
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