首取り様1
「今のところヒントはなにもないよね。だから、もう1度昨日春香の首を見つけた場所に行ってみるのはどうかな?」


佳奈は淀みなく言った。


これはファミレスに来るまでの間に考えていたことだった。


この世界をゲームの中だと過程して、関係のない場所には行くことができなくなっている。


それでもこの世界全部を探している時間はないはずだ。


今日も夜明けまでには明宏の首を見つけて、持っていかないといけない。


「昼間行ったばかりだけど、それしかないよね」


同意してくれたのは春香だった。


昨日犠牲になった春香だけれど、今は冷静そうに見える。


「そうだな。じゃあ、とりあえずそこに行ってみるか」


慎也がバッドを握りしめて立ち上がる。


それに合わせて他の4人も立ち上がった。


今回はひとまず行き先が決まっているので、全員で移動することになった。


ファミレスの外に出るとまた異様な空気が肌に絡みついてくる。


熱いのに、肌寒さを感じる。


「美樹、大丈夫?」
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