首取り様2
美樹の言葉に明宏が「そうだな」と、頷いた。


しばらく両親が戻ってくる心配はないとわかった。


後は慎也の首をどうしたら取り戻すことができるかだ。


「ねぇ明宏、なにか名案はないの?」


考えることについては明宏が一番得意だ。


成績も優秀だし、冷静な判断を下すこともできる。


「慎也の首についてか?」


「そう」


佳奈が頷くと明宏は難しそうな表情を浮かべた。


「慎也の体はここにあって、首は地蔵にある。それなら、首を地蔵からもぎ取ってくればいいんじゃねぇのか?」


大輔の言葉に佳奈は苦笑いを浮かべた。


「そんな強引なことじゃ無理だよ」


それに、地蔵へ行ったときにすでに佳奈はそれを試していた。


あの時はパニックになっていて、つい慎也の首を地蔵の体から引き離そうとしたのだけれど、ビクともしなかった。


いくら大輔が万全な状態で挑んだとしても無理だと思う。
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