短編小説集
コタツ


「お母さーん!ミカン取ってー」
「自分で取りなさい!」
「えー、メンドーだからヤダー」

そんなやり取りをしてから数分後ーーー

お母さんは一向にミカンを持ってきてくれる気配はなく、リビングを出て行ってしまった。

ミカン食べたかったけど、もういいや。
何か眠くなってきたー

心地良い温かさに私はもうメロメロで、コタツの魔力にやられていた。

ゴロンと寝っ転がり、体を丸める。

いつの間にかスーッとそのまま、寝いってしまった。


「クシュン!」
ふと目が覚めたと思ったら体をブルリと震わせ、そしてクシャミを1つ。

ゾクゾクする体の感覚にマズイな…、と思った。

コタツで寝ると、高確率で風邪を引く私。

やっちゃったかな?
と、寝てしまった事を後悔してたら。

「クシュン!」

と、またクシャミが出た。

ダメだ。
風邪、引いたかも。

これってコタツあるあるだよね?

違う?
私だけかな?

あ!それより風邪薬飲まないと。

「お母さーん!風邪薬ちょうだーい」

…返事がない。
しょうがない、自分で取ってくるか。


さらば!
コタツ天国ーーー


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