彼は私を偏愛している
「この子誰?こんな子いた?
つか、若いよな?」
雛菜に顔を近づけ言う、葦原。

「亜舟の彼女のヒナちゃんだよ」
佐近が答えた。

「へぇー、この子が!
結構可愛いな……」
「あ、あの…////」
葦原もイケメン。
雛菜は、葦原の顔が近づき思わず顔を赤くする。

「葦原」
「は?
━━━━━━━!!!!?
はぁー、はいはい…もう近づきませんよ!」
降参とでもいうように手を上げ、引き下がった。

「ヒナ、ごめんね。
なるべく早く終わらせて迎えに行くから、待っててね!」
「うん、わかった!」
「ん。いい子!」
頭をポンポンと撫でて微笑む、亜舟。

「ちょっと待った!!」
そこに葦原が言い放った。

「どうした?葦原」
と、佐近。
「彼女、一人で帰すの?危なくね?」
葦原が亜舟を見ていった。

「は?」
「あ、そこのお店で待ってます!」
亜舟の雰囲気がどんどん悪くなっている。
雛菜は、必死だった。
とにかくこれ以上機嫌を損ねないようにしないといけない、と━━━━━━

「阿久津、お前、わかってんの?」

「は?」
(お願い!これ以上、亜舟くんを怒らせないで~)

更に葦原が引き留める。

「賢い阿久津らしくねぇな」
「だから!何!!?」

「お前の命、拐われるぞ!!」

「………」

「俺なら、こんな可愛い子が一人でいたら拐う」


━━━━━━━━━━━
「可愛い~」
「人形みたいよね~」
「二十歳とか、若っ!!」
「私も二十歳に戻りたーい」
「ヒナちゃんって呼んでいい?」
「へぇー、この子が“阿久津 亜舟”の彼女かぁー」

葦原の言葉で、雛菜も一緒に飲み会に参加していた。雛菜は亜舟に守られるように腰を抱かれ、座っている。
そしてそんな雛菜に、亜舟の同級生の男女達が群がるように話しかけている。

(何なんだ……)
「ヒナ」
(何でこうなった?)
「ヒナ、どうしたの?」
(てか、亜舟くんの同級生って……)
「ヒ、ナ!」

「亜舟くん」
「ん?」
「亜舟くんの通ってた大学は、容姿で合否が決まるの?」
「………は?」

「だってここにいる皆さん、イケメンさんや美人さんしかいないから。
あ、そうか!亜舟くんがイケメンさんだから、呼び寄せるんだ!」

「ヒナ、何言ってるの?」

「ヒナちゃん面白い!」
佐近が言った。

「え?ごめんなさい。私、変なこと……」
「ヒナ、あんまり可愛いこと言わないで?」
「え?」
「そんなこと言ったら、こいつ等がヒナに惚れるでしょ?」

「惚れる?ないない!あり得ないよ!」

「なんで、そう言えるの?」
「え?だって皆さん、イケメンさんだし……
そんな人が私なんかに惚れるわけないでしょ?」

「ヒナがわかってないだけ!」

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