一途な淫魔の執着愛〜俺はお前しか一生抱かない〜
 洸夜は五歳の時に母親に捨てられた。理由は未だに……分からない。


『お母さん、買い物に行ってくるから少しの間お留守番宜しくね』


 そう言って大きな荷物を持った母親はその日帰ってくる事は無かった。
 泣いて、泣いて、声が枯れるまで泣き尽くした頃に父親が仕事から帰ってきた。
 父親にどうしてなんだ、なんでなんだと五歳ながらに母親が出て行った事に気づき問い詰めたが教えてくれる事はなかった。日を改めて聞いても母親の話を出すと機嫌の悪くなる父親、いつの頃だったか聞くのをやめた。いや、もう聞く事を諦めたに近かった。


「あ……くっ……ひ、より……」


 キスしてぇ、日和の甘い匂いを存分に嗅いで、日和の柔らかい胸を揉みまくって、熱いアソコに俺のを腰が砕けるまでぶち込みたい……
 母親が急に居なくなり父親は仕事が忙しい事を理由に洸夜に家政婦をつけて、幼稚園の迎えも家政婦、食事を用意してくれるのも家政婦、けれどどれも業務的で五歳の洸夜にはストレスだった。
 家政婦に公園に行きたい、と言ってたまたま連れてきてもらった近所の公園。よく母親と二人で手を繋ぎ歩いてきた公園だ。遊具もブランコと滑り台しかないような小さな公園だった。それでも母親と一緒に落ち葉を集めて遊んだり、ブランコに乗って後ろを押してもらったり、滑り台から滑る洸夜を見て「凄い! 早い!」と手を叩いて喜んでくれたり、小さな公園でも、母親と二人で凄く楽しかった。
 楽しかったのに、どうして俺を置いて居なくなったんだよ……ずっと我慢していた涙がそこにいない母親を思い出してしまい溢れ出す。幼い瞳はたくさんの涙で視界を掠めた。
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