一途な淫魔の執着愛〜俺はお前しか一生抱かない〜

 ハピフルコネクトライフの二階はパーティー会場として使っている大広間がある。
 今日はケーキバイキングパーティー。洸夜が以前健に提案した企画だ。
 今回のパーティーは気楽に楽しめるがコンセプトらしく、立食で好きに色んな人との会話を楽しんでいいらしい。


「……って、私ここの会員よね?」
「まぁ、会員になったとは日和言ってたわね。でもほら、もう愛しの社長さんがいるじゃない」
「ちっがーーーう。もう! こうなったらこの機会に私もどさくさに紛れて混じっちゃおうかな」
「その服装じゃ無理ね。明らかにパティシエじゃない。ドレスじゃなきゃ無理無理」


 白のコックシャツに黒のスキニーパンツ。明らかにケーキを配る従業員の格好だ。


「くぅ……」


 綺麗に装飾された会場。上品なテーブル装飾、丸いテーブルにはティファニーブルーのテーブルクロスで爽やかに、テーブル中央には白い薔薇。まるで結婚式場に参列しているような華やかで上品な空間。
 日和はパティシエとして今日はケーキをハピフルまで届けにきた。正装した男女の会員の皆さんが楽しく出会いを求めてケーキを食べているところを横目に日和はどんどんなくなっていくケーキをせっせと補充していた。


(でもまぁ、私たちの作ったケーキを美味しそうに食べてくれてて、嬉しいな)


 パティシエにとってなりよりも嬉しいのはお客様に美味しいと言われ、お客様の笑顔が見れることだ。


「よお、やっぱり日和のケーキは評判がいいな。皆楽しそうに日和の作ったケーキをかこんで楽しそうに会話してる。やっぱり頼んで正解だったな」


 今日もビシッとスリーピースのスーツを着こなした洸夜が目の前に現れた。
 ま、まぁ、確かに綾乃の言う通り色気ムンムンなのか洸夜を見る女性会員たちの熱い眼差しが凄い。でもそんな事日和には関係ない。ハッキリさせたい事がある。

< 34 / 134 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop