イジワルな君の一途で不器用な恋心
最強の味方

月日は流れ、40日間に及んだ夏休みが終了。

月曜日とともに2学期が始まった。



「いらっしゃいませ〜。あ、黒金ポニーちゃん!」



始業式終わりの放課後。

恐る恐るカフェの戸を開けたら、テーブルを片づけている最中の店長さんに声をかけられた。


黒金ポニーちゃん? 私のこと?



「お久しぶりです〜。お元気でしたか?」

「はい。前回は、いきなり帰っちゃってすみませんでした」

「いえそんな! こちらこそ、無神経に踏み込んで申し訳ありませんでした」



出入口の前で頭を下げ合う。


仕事の邪魔をしちゃった上に、ろくに挨拶もせずに逃げた先月。

謝らなきゃとは思ってたのだけど、宿題を言い訳に先延ばししてたら、あっという間に9月に。


このままだと永遠にカフェに行けないと危機感を抱き、雷夜に頼んで引き合わせてもらったのだ。


「お詫びにコーヒーをごちそうさせて」と言われたので、お言葉に甘えて飲んでいくことに。

案内されて奥へ進み、カウンター席に座った。



「あ、自己紹介まだだったね。はじめまして、店長の春岡(はるおか)と申します」

「目黒 雷夜の友人の朝日 琳子です。よろしくお願いします」
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