溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。
「こんなに他の女の子にとられたらって思ったの,初めてだったし。それに,失礼なこと聞いちゃったから返さないとなって思って」

「わっ私が?! …失礼なこと?」

「先輩とのこと。それに驚くことじゃないよ。真理,モテ期だからね今」

「モテ期? なんのこと……」

「元々気になってた男女皆,私も。ギャップ萌えしちゃって」



真香さんは私をぎゅっと抱き締めて,ふふふと笑った。

慣れない同性からのハグに狼狽えて,私は頬を染める。

と,真香さんは



「可愛い~」



と一層強い抱擁をした。



「今話したのはずるかったかもしれないけど,私頑張るから! 真理ももしもの時は好きにしてね」

「う,うん?」

「約束だからね」

「わ,分かった」



私は決意のこもった声に,首をかしげた。
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