この政略結婚に、甘い蜜を
「失礼致します。本日のコースメニューの内容はーーー」

二人が席に着いて数分もしないうちに、制服をしっかり着こなした店員が現れてコースメニューの内容を話していく。華恋には店員の言葉が全く理解できず、「ありがとうございます、それで大丈夫です」と微笑む零に合わせて頷いた。

店員が下がった後、華恋は夜景の方に目を向ける。煌めく街の光をこんなに見るのは初めてで華恋が見入っていると、「ここの夜景、すごく綺麗だよね」と零に話しかけられる。華恋はびくりと肩を震わせ、零を怯えた目で見た。それを見て、何故か零は悲しそうな顔をする。

(どうして、愛なんてない結婚をする相手にどうしてそんな顔をするの?)

零は悲しそうなまま微笑み、ゆっくりと華恋の手を取る。

「今は突然のことで戸惑っていると思うけど、でも僕は華恋と愛し合う夫婦になりたいって思ってる。困らせるかもしれないけど、僕は華恋のことを愛してるんだ。僕と、結婚してほしい」
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