最初で最後の恋をする
武虎が、國枝と対当している頃━━━━━

厘汰とみやびは、マンションで幸せな時間を過ごしていた。


「みやび~」
「ん?」
「キスしよ?」
「うん…」

チュッと音がして離れた。

「みやび、もう一回!
今度は、深ーーいヤツ!」
「うん…ンンン…っ…んはぁ……」

「ヤバ…止まんねぇ……」
「んんっ…っや…ん…ぁ…」
一度離して呟くと、また厘汰はみやびの口唇を貪った。

「みやびの口唇、クセになるんだよなぁ~」
「んんっ…そう?」
「うん…ずーっと、キスしてたい……!」

最近は大学が終わると、そのまま厘汰のマンションに向かい、冴木が迎えに来るまで過ごしている。

「ねぇ、みやび~しよ?」
「え?しよって、昨日もしたよ?」
「うん。毎日したい」
「厘汰、欲求不満なの?」
「うーん。
………ってゆうより、ずーっとくっついてたいって感じ?」

「そうだね。放れたくないね……」
厘汰にキュッと抱きつく、みやび。

「好きすぎて、苦しいな…」
厘汰もみやびを抱き締めた。


結局、厘汰の力には敵わなくて抱き合っている二人。
「んっ…はぁ……や…厘、汰…」
「みやび…好き……好きだ…」
「私…も、好き…」
「どのくらい…?」
二人は繋がり、ベッドのスプリングが響く中……
厘汰がみやびの顔を覗き込んだ。

「え?」
「みやび…俺のこと、どのくらい好き?
ほらっ!言って?」
「━━━━━━っあ!んんっ…!」
更にググッと奥につかれ、みやびは目の前がチカチカしてくる。

「みやび…言って?」
「あぁ…いっぱ……苦し…くらい…好きぃ…」
「フフ…お、れ、も!」
「んぁぁ…」

「みやびの為なら、何でもするよ?
みやびの為なら、命だって惜しくない……!」

「厘汰ぁ…」

「俺から、みやびを取る奴は誰であっても許さない!」

「ん…あ…ぁ…」

「みやび、ずっと…ずーっと……傍にいてね…!」




「あんた、波牙の何を知ってんの?」
そして、國枝と対当している武虎。

「波牙 充矢は、俺の妻を殺した男。
俺は、絶対に波牙を許さない!」
「厘汰には、関係ないじゃん!」

「あぁ、そうだ!
でもお前は、厘汰を恐ろしいと思ったことはないのか?」

「それは……」

「毒牙組を背負ってるような男だろ?
そんな男にみやびは渡せない。
武虎、お前なら託してもいいと思う。
お前なら、みやびを“ちゃんと”守ることが出きるだろ?」
「それは厘汰だって…」

「厘汰はみやびを愛しすぎて殺す」

「え?」

「充矢もそうやって、妻を殺した━━━━」
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