【完結】私、実はサレ妻でした。


「ママ、パパ。おやすみなさぁーい」

「おやすみなさーい」

「はーい。おやすみなさい」

 子供たちが寝室に行ったのを確認して、私もお風呂に入ることにした。

「実乃梨、何か手伝おうか?」

「……ううん、大丈夫」

 ねぇあなた、私はあなたと離婚するわ。 必ず離婚して、あなたと縁を切ってみせる。
 子供たちのことも、絶対に渡さないからーーー。

 そしてそれから数日後の夜、私はついに動き出したーーー。




「……ねぇ、あなた」
 
「ん?どうした?」

 私はついに、確信に迫るべく夫に浮気の証拠を見せ付けることにしたのだった。

「あなたにね、大事な話があるの」

「話?……うん、分かった」
 
 夫はそう返事をして、私の前に座った。

「実乃梨、話って?」

「……ねぇあなた。これが一体どういうことか、私にも分かるように説明してくれる?」

 そして私は、探偵事務所からもらった数々の浮気の証拠を、夫の前にばら撒いたーーー。

「……え」
 
 その証拠たちを見て、夫の表情は変わった。 そして驚いていた。

「これ、どう見てもあなたよね?惚けても無駄だから。……知ってるのよ私、あなたが宍倉円香と浮気していたこと。 それと宍倉円香と不倫旅行に行ってたこともね、全部知ってるのよ」
< 53 / 76 >

この作品をシェア

pagetop