【完結】私、実はサレ妻でした。


 そう言っていた夫だったけど、私にはイマイチ信用できなかった。
 そんな話を信用できるほど、私は騙されない。

「円香に指輪をプレゼントしたのも……円香にせがまれたからだ。 この前円香と旅行に行ったのも、円香に連れてってくれと言われたからなんだ……」

「……そんな話、信じられない。だって一泊25000円の部屋に泊まってたんでしょ? 私は家計のために生活を切り詰めてたのに、あなたはそんな高い部屋に浮気相手と泊まり込んだのよね?……しかもその部屋で、あんな風に円香のこと抱いたんでしょ?あんな写真見せられたら、誰だってムカつくに決まってる」

 夫にそう言うと、夫は「……だよな、信じられないよな」と言ってきた。

「開き直らないでよ!……私がこれまで、どれだけ辛かったか分かる?私がどれだけ傷付いたか分かってる? あなたのせいで、私は心も身体も全部ズタズタに傷付けられたのよ!?」

 でもやっぱり、浮気は浮気だ。 いくら円香から脅されていたとはいえ、浮気は浮気なの。

 私の中にあるその答えは、一生変わらない。
 浮気したことは許すつもりはないし、これからだって私は、夫のことは信じない。
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