【完結】私、実はサレ妻でした。


「……実乃梨、俺はお前をそこまで追い詰めていたなんて、思ってなかった。 本当に……本当に申し訳ない」

「やめて……! 謝られた数だけ、私は惨めになるのよ?あなたに裏切られたことで、私たち家族はいつもみたいに接することが出来なくなる。……子供たちの幸せを考えたら、この選択が一番いい選択だと思ってる」

 その方が、子供たちだって幸せになれると思ってる。

「……俺は実乃梨を……実乃梨のことを、本気で愛してる。それは今も変わらない」

 夫は私の前に座り、静かに話し始めた。

「……でも実乃梨がそれでものすごく傷付いたことで、俺への気持ちがなくなってしまったのなら……それは仕方のないことだと思う。 俺がしたことは、実乃梨の言う通り最低なことだと思ってる」

 今更なんなの……。なんで今そんなこと言うの……。

「実乃梨が俺を嫌うのも、仕方のないことだと思ってる。……俺は実乃梨にウソを付いて、円香と旅行に行ったりしたし。実乃梨を抱いた時も、俺は円香の名前を呼んでしまったみたいだし……。俺は実乃梨のことを愛してるけど、その気持ちにウソはないけど、でも俺の気持ちをぶつけてしまうことで実乃梨への負担になるなら……。離婚、するよ」
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