夕暮れ、人の消えたこの街で。
「はぁ、疲れた…」

俺はカバンを右手に持ちかえ、ため息をついた。

仕事の出張で、自身の生まれ育った街まで来ていた俺は、ふと、子供の頃よく遊びに来ていた公園が、今どうなっているか、確かめに来たところだ。

「あまりいい思い出はないんだけどなぁ…」

俺にとってその公園は、自身のトラウマそのもののようなものだった。

だが、人間というのは、悪い思い出ほど強く記憶に残るもので、時代と共にそのトラウマも消え失せていればいいなぁと、足早にその公園まで向かった。
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