一縷
同衾

目を覚ますと、薄暗闇だった。

頬に感じるのがいつもの枕の感覚と違って、どこかへ追いやってしまったかなと手を伸ばす。

手探りで触れたのは、かたい……人のような……。

はっと覚醒してそちらを向く。人が居た。
いや、そもそも、ここはどこ。

手を引っ込め、見知らぬベッドや家具の配置や匂いに辺りを見回す。

待って、落ち着いて、大丈夫、昨日何があったっけ。昨日は給料日で、嬉しくなって、たまに行く居酒屋で一人で飲んでた。

飲んでた……確かハイボールを。それは間違いない。わたしはハイボールが好きだから。

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