強面カイくんの、行き過ぎる溺愛
カイくんの唯一の友人
快李には、唯一の友人がいる。

それは、快李の秘書・色沢 ハジメだ。

快李と結理の大学の同期で、結理同様…快李のことを容姿で判断せず、 声をかけてきた人物だ。

とても人懐っこい性格の色沢。
その上可愛らしい顔をした、俗に言う“犬系男子”だ。


「おっ!快李と結理ちゃんだ!おはよー」
「あ、ハジメくんだ!おはよう!」
「おはよ」
電車に乗っていると、色沢が声をかけてきた。

「二人はこんな早い電車に乗ってんの?」
二人の前に立ち、見下ろして言う色沢。

「うん、そうなの」
「なんで?」
「色沢には関係ねぇよ」
「ほんっと、冷たいよなぁー」
快李の冷たい態度に、色沢が苦笑いをして快李を見る。

「あ、あの!
カイくん、私をお店まで送って会社に向かうから、早めに出てるの」
「そんなことまでしてるの!?快李」
「は?」
快李が色沢を睨む。

「あ、ごめんね!私が頼りないから……」

「ユウちゃんが謝ることじゃないよ!」
「いや、俺こそごめんね!結理ちゃんに言ったんじゃなくて、快李に━━━━━」
「色沢!!お前が余計なこと言うから、ユウちゃんが傷ついた!」
「ごめん」


「じゃあね!カイくん、ハジメくん、気を付けてね!」
店前で二人に見送られ、結理は店内に入っていく。
その姿を見届けて、快李と色沢は徒歩10分の会社へ向かった。

「快李」
「何?」
「さっきは、ごめん」
「もういい」
「あのさ、怒らないで聞いてよ?」
「何だ?」

「なんでここまでするの?」

「一秒でも長く、ユウといたいから」

「ほんっと、惚れてんだなぁー」

「惚れてる?そんなレベルじゃねぇよ」

「え?」

「愛しすぎて、狂ってる。
………………だから最近、息ができないんだ」
「え?快李?」
「“ユウと離れる”さっきの瞬間が一日の中で一番嫌いだ。はぁ…大学ん時は、幸せだったなぁー」

「快李…」

「ずーっと、一緒だったから。
朝起きて、ユウが腕の中にいる。
一緒に飯を作って、食べて、準備して大学に行く。講義を一緒に受けて、昼飯食って、また講義を受ける。
一緒に買い物して、帰って、一緒に夕飯作って、食べて、風呂に入って、ユウを抱き締めて眠りにつく。
そんな、普通の生活を片時も離れず送ってただろ?
今だから言えるけど、大学卒業して色沢と会社を立ち上げてから最初は地獄だった」

「は?地獄?」

「ユウがいないから」

「は?いないっつっても、仕事中だけじゃん!」

「その間のユウがいない時間がとにかく地獄で……
あーそう言えば、その時からだ………
俺の頭が、狂ってったのは━━━━」
< 19 / 31 >

この作品をシェア

pagetop