俺にしときませんか、先輩。
からかってるんですか



*

*



『サナちゃん、緊急集合だよ!』


ある朝、いつもより遅く目覚めると、沙葉から数件のメッセージが届いていた。



『夏休み明けのテスト、忘れてた!』

『勉強会しよ!』



夏休みに入って、はや2週間。

机の下にあるはずの紙に手を伸ばす。



「…あ、本当だ」


たしかに、スケジュール表には、夏休み明けの2日後に総合テストという文字がある。

やば、普通に忘れてた。
まだ課題すら手をつけてないってのに。


すぐにオッケーと返事を送ってベッドから出る。

数分間のやりとりの後、沙葉の家で集まることになった。











「お邪魔しまーす」


身支度込みで40分。

私にしては早かった方。


扉を開けてくれた沙葉に続いて中に入ると、


「せ、先輩…!?」


パタパタと服の下を揺らして風を送りながら奥から出てきた由都に、めちゃくちゃびっくりされた。
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