俺にしときませんか、先輩。


「沙葉」

「うん?」

「由都って出かけること多いの?」

「え?うーん、そうだね。中2くらいからかな、帰りとか遅くなってきたり、休日も結構遊び行ったりするの」

「ふーん」

「なんで?」

「あ、いや……なんか、沙葉の家で由都と会うの久しぶりなかんじして」

「そう?」



…うん、と頷く。


沙葉の家には結構な頻度で来ている私。

学校終わりに寄っていくこともあれば、休日に遊んだりすることもあって。

だけど、由都と顔を合わせた回数は………少ない、本当に少ない。

だからこそ今日、家で会うのは久々なかんじがして…。



「サナちゃん、やろ」

「あっ、うん」


机にドドンッと課題の山が置かれて、さっきまでの思考が消え去る。


沙葉……、本当に私たち、どこまでも一緒ね。


こっちの課題も机に乗せると、一気に2倍になった山。それを目の前に、げんなりした顔でお互い目を合わせる。
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