双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
「柚希、顔を上げて」

蒼斗さんの優しい声色が届いた。恐る恐る顔を上げれば、宙で視線が交わる。

「いろいろ悩ませてすまない。今から父に真相を確かめに行ってくる」

「え? 今からって……」

「すべてを明らかにしてくるからここで待っていてくれ。もしこれが父の差し金ならば、それ相応の対応をする。もう柚希たちに迷惑はかけないし悲しい想いはさせないから、俺を信じてほしい」

真剣なまなざしが私を捉えて離さない。

きっと私がここで止めても彼はそれを聞きはしない。蒼斗さんはこうと決めたら曲げない。そういう人だ。

「俺がここを離れる間、柚希たちだけでいるのは心配だ。申し訳ないが、仁紀くんにここに居てもらえるように頼んでくる」

「そこまでしなくても、施錠をしっかりすれば大丈夫かと」

「念には念をだ。封筒の件と旅館の嫌がらせが同一人物の仕業か分からないし、なにかあってからでは遅い。明日以降のこともちゃんと対策を考えるよ。だから、俺を信じてここで待っていてくれるか?」

「……分かりました」

「では、いってくる」

蒼斗さんは仁紀を連れてくると、実家に向けて出発した。
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