双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました

「え？」

と、目の前に広がった予想外の光景に思わず足が止まり、一点に視線が釘付けになった。

ど、うして……？

心の中に浮かんだ言葉を呟こうとした瞬間、ある人物と目が合い心臓が飛び跳ねた。

状況を呑み込めず固まったままの私に向かって向けられたひとつのまなざし。

ネイビー色のシルクのスーツに身を包んだ、長身の眉目秀麗な男性がふわりと笑い私の方へと足を進めてきた。

「どうしてここに……蒼斗さんがいるのですか？」

動揺から声が震えてしまう。

「この間、街で偶然弟くんに会って、そのときに退院祝いのことを聞いてね。お招きいただいたんだ」

まさかの返答に目を見開く。仁紀からそんなことは一言も聞いていない。

思わず仁紀の姿を捜しキィーっと睨めば、ニヤッと悪戯っぽく笑いこっちにやってきた。

「これはいったいどういうことなの？」

小声で仁紀に詰め寄る。