双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
「いきなり呼び出してしまってすまない」

「いえ。お仕事お疲れ様です」

オレンジ色に空が染まる午後七時。蒼斗さんが最寄り公園の駐車場に車で迎えに来てくれて、辺りを気にしながら乗り込んだ。

そしてふたりで向かった先は、閑静な住宅街にある隠れ家的なイタリアンレストランだった。

「ここのピザとパスタは絶品なんだ。ひとまず食事をしよう」

白とダークブラウンで統一された北欧モダンな店内の個室。オレンジ色のダウンライトと部屋に置かれたおしゃれなインテリア雑貨からは優しい雰囲気が漂う。

しばらくすると料理が運ばれてきていい匂いが辺りに立ち込める。目の前には色とりどりな料理が並べられどれも美味しいそうだ。

魚介のカルパッチョに季節の野菜を使ったアラカルト、海老のトマトクリームパスタにこのお店一押しだというマルゲリータピザ。

食通の蒼斗さんのおすすめの店だからどれもきっと美味しいに違いないが、なにを話されるのかで頭がいっぱいであまり食が進まない。
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