双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
その様子を見ていた両親にも自然と笑みが零れていた。父はやみくもに反対の立場を取ったわけじゃない。

娘の私と、大切な孫である蒼汰と優斗の幸せを誰よりも願っているからこその厳しい言葉だということは、自分自身が親になったからこそ分かる。

「必ず柚希さんと蒼汰くんと優斗くんのことを幸せにします。だからもう一度だけチャンスをいただけないでしょうか? お願いします」

再び、蒼斗さんが両親に向かって頭を下げた。

父はしばらく考え込んだが、最後には首を縦に振り、『ふつつかな娘とやんちゃな孫たちですが、よろしくお願いします』そう言って交際を承諾してくれたのだった。

胸に熱いものが込み上げてきて視界が滲む。

こんな日がくるなんて夢にも思わなかった。

少しずつ、少しずつ。

空白の四年の時を埋めるように。

ピースが合わさり、希望の光が差し込んでいく。

まだやり直せる。

そう信じて、これから四人で歩んでいきたい。
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