双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
両親にすべてを打ち明けて一か月が経った。ちょうどお盆の繁盛期を終えた旅館は、平常運転に戻りつつあった。

「お父さん、いろいろありがとうね」

「あんなに孫たちが鳴宮先生のことを慕っているのを見せつけられたら、反対なんてできないだろう」

フッと笑いながら離れの片づけをする父。

「ここも提供してくれて本当に助かった」

「蒼汰と優斗にとって一番いい環境がいいからな。今まで不憫な思いをさせてしまった分、たくさんの愛情を注いで甘えさせてあげるといい」

「うん。そうする」

コクンコクンとうなずきながら荷物の整理の続きを始めた。実は蒼斗さんと息子たちと四人で住む計画が進んでいる。

保育園の関係もあるので蒼汰と優斗の環境をあまり変えたくなくてこの界隈で物件を探し始めた矢先、父に裏の離れに住んでみては? と提案された。

あれだけ交際に渋っていた父だが、今はてとても協力的。

しばらくはこの離れで四人で半同棲ということになるだろう。

私の実家からだと蒼斗さんが勤める病院までかなり距離があるので、大切なオペがある前日などは今までどおりホテル生活になることもある。
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