門限やぶりしようよ。

未来

 誰かの舌がこんなに柔らかで熱いものだとは知らなかった。滑るように我が物顔で肌の上を這い回った。最初は軽く笑ってしまう程のくすぐったいだけだった心地よさも、いつしか高まり息を荒げてしまうまで、彼は執拗に舐めることをやめなかった。

「ふっ……もっ……もう、やめてぇっ……」

 押し倒された体勢で、彼のサラッとした黒髪を掴んで必死にどうにか逃れようとしても難しい。優は器用に残っていたスカートも下着も、私が快感に悶えている間に取り払ってしまった。

 残るのは裸体の私と、中途半端にはだけた制服の白いシャツと黒いズボンを身につけている男の子。

「俺の事、いっぱい呼んでよ。会えない間に何回も何回も……きっと毎日思い出すから」

 どこか遠くを見るような目で言った色っぽい彼の声は魅力的な申し出だった。記憶のどこかに、自分が棲むことが出来る。たとえいつか長い時間の中に、すりきれて消えてしまっても。

 彼の中に確かに私は在るんだとそう思える。

「優っ……ゆうっ……きもちいいっ……優っ……」
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