絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
「あった、これだ。寝るのは好きな場所でいいが、寒さに凍えていてはかわいそうだ。これをルーナに届けてやろう」
 引っ張り出したダウン素材のブランケットは、ルーナが愛用している毛布素材のそれよりも軽く、保温性に優れてふかふか。これからの寒い季節にはぴったりだ。
 これを掛ければ、ルーナも温かく朝を迎えられるだろう。
 俺はダウンのブランケットを小脇に抱えると、玄関に向かった。月明りで十分に明るかったのでランタンは持たず、そのまま外へ飛び出した。
 ……さて、ルーナはどこにいる。
 ルーナを探しながら、屋敷の庭を大股で闊歩する。木陰……あるいは、厩や厨房の勝手口の近くに建つ貯蔵庫か?
 幾つかあたりをつけ、順番に見て回る。しかし、植木の根もとや厩、貯蔵庫にもルーナの姿はなかった。他に風が避けらそうな場所は……。
「そうだ。西の端に、昔庭師が道具類をしまっておくのに使っていた物置小屋があったな」
 今はもう使われていない小さな物置小屋の存在を思い出し、急いでそちらに向かった。
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