絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
「月の力よ、どうかお願い! レリウスさまたちを助けたいの! 悪しき心を持つ人たちを正し、綺麗にして!」
 祈りと共に、わたしは月の魔法を発動させた。
 すると、月からキラキラとした光の粒子が舞い下りて、ワーグナー筆頭大臣邸に降り注ぐ。月の粒子はまばゆく発光しながら、交戦最中のレリウスさまの部隊やワーグナー筆頭大臣の私兵団、すべてを包み込んでいく。
 ……なんて綺麗なの。
 幻想的な光景に、わたしは瞬きも忘れて見入った。
 どれくらいそうしていただろう、戦況に目に見える変化が現れた。
「あれ? あの人たち、構えている弓を下ろしてる。……あ、あっちの人たちは剣を引いて馬を下りてる」
 なんと、ワーグナー筆頭大臣の私兵たちから次々と投降者が出始めたのだ。
 もちろん、月の魔法とて万能ではなく、全員を投降させるには至らない。たとえ改心しても忠義心だったり、コリンのように大切な誰かを守るためだったり、理由があって投降を躊躇う兵士もいるだろう。
 それでも最終的には、半数ほどの私兵が戦線を離脱した。さらに残る半数も、戦意の低下は瞭然だった。
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