絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 わたしの浮かれきった様子を見てユーグさんがポツリとこぼしたら、レリウスさまがギンッと鋭い眼差しと唸るような低い声で尋ねた。なぜか、尋問みたいな口調で。
「どこって、知人が卸売業に従事してまして、その伝手でたまたまもらったんですよ。一般販売は来月ですから、まだ市場では入手できないかと思います」
 ユーグさんの答えに、レリウスさまは憎々しげに舌打ちした……?ように見えたが、きっとわたしの気のせいだろう。優しい紳士なレリウスさまが舌打ちなんてするはずないもんね。
「……やれやれ。よくぞ一週間で、ここまでペットに入れ込めたものです。やはり脳筋ゆえ、こんなにも猪突猛進でのめり込みやすいのでしょうかねぇ」
「なにか言ったか?」
「いえいえ。今のは独り言ですので、お気になさらず」
 その後はみんなでお茶を飲みながら、和やかに時間が過ぎた。
「レリウス様、昼食のご用意が整いました」
「そうか」
 使用人の声を受け、わたしたちは食堂に移動した。

 食堂に足を踏み入れた瞬間、ユーグさんがピタリと立ち止まった。
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