愛しき人
彼女と出会ったのは、
僕が香川にいた17歳の夏。

その当時、
高校にはほとんど行かず、
昼は遊び、
夜はバーでバイトをしていた。


L字の10人位座れる
カウンターと4人掛けの席が2つ、
ビリヤード台1つと
ダーツがあるその店は、

ダークブラウンの
フローリングに漆喰の壁、
洒落た間接照明、センスの良い
インテリアが
並んでいるご機嫌な店で、
僕はもともとその
店の常連客だった。


そして彼女もまた・・・。


彼女のことは知っていた。


薄茶色の長い髪、
透き通るほど白い肌、
均整のとれた体。

綺麗め系カジュアルな洋服に
高いヒール、ブランドの
服飾品を身に着けていた。


いつも決まった席に座り、
カウンター越しの
マスターとのツーショットは
まるで、何かの映画の
1シーンの様に絵になっていた。
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