きみの隣にいるために(編集中)
これは自惚れ?
木々の葉も色づき始めた10月の中旬。
いつもとは違う景色に囲まれながら、照りつける太陽の眩しさに思わず目を細めた。
晴天に恵まれた今日は言うまでもなく旅行日和だ。
街中では様々な言語が飛び交い、左右どちらを振り向いても人でごった返している。
さすが、観光地。
「しーちゃん、ティラミスのお店ここだって」
隣を歩いていた一吹くんはそう言うと古民家カフェの前で足を止めた。
お店の前には『20XX年、全国スイーツ大賞金賞受賞』という言葉と共に抹茶ティラミスの写真が飾ってある。
「京都限定だって。楽しみだね、しーちゃん」
そう、私達は今京都へと旅行に来ています。
「しーちゃん、一吹。何してるの?席案内されたよ?」
「あ、ごめん、ヒナちゃん」
一吹くんと2人きり……ではなく、ヒナちゃんと茅乃さん(ヒナちゃん・一吹くんのお母さん)。
それからうちの母の計5人で。
ことの発端は2ヶ月ほど前、ヒナちゃんの「うちとしーちゃんちで旅行行こうよ」という一言から始まった。