きみの隣にいるために(編集中)



その知らせはあまりにも突然だった。



成宮栞(なるみやしおり)、21歳。職業はカフェ店員。

今日も1日働き詰めだった私はコンビニでご褒美のスイーツを買い、駅から徒歩5分の距離にあるマンションへと帰宅した。

時刻は21時過ぎ。

エレベーターの中で凝り固まった肩を回して軽くストレッチ。

うちに着いたら新発売の文字に釣られて購入した『ふわっふわなめらかプリン』を食べて、早めにお風呂に入ろう。

明日も朝から仕事だから、撮りためていた番組が観られるのは休日かな。

あっ、でも歌番組だけは先にチェックしておきたい。

そんなことを考えながら玄関のドアを開けた。

私が「ただいま」と言うと、リビングから「しーちゃん、おかえり」と言って顔を覗かせた母。

しーちゃんとは、私の名前の栞から取って付けられた愛称だ。



「ねぇ、しーちゃん、しーちゃん。聞いて!」


母はそう言うと、玄関にいる私の元へ小走りで駆け寄ってきた。






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