きみの隣にいるために(編集中)
子供の頃の選択


       ◆一吹side◆



「俺、芸能界に入りたい」


小学6年生の夏。

俺の言葉に両親は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした。

「げ、芸能界に入るってことは芸能人になりたいってことよね?」

「うん、アイドルになりたいんだ」

「ア……イドル?」

俺もまさか自分が芸能界を目指すことになるなんて思いもしなかった。

それもアイドルになるという理由のために。

だけど、子供の頃の俺にはこの選択しか思いつかなかったんだ。

大好きな人の笑顔を守り、隣にいるためには。アイドルしか───。




< 221 / 280 >

この作品をシェア

pagetop