きみの隣にいるために(編集中)
幼なじみの特権



「服よし、髪よし、メイクよし……!」


鏡の前で頭からつま先までを何度も繰り返しチェックする。

この前、購入したばかりの夏用ワンピに緩く巻いた髪、すっぴん風のメイク。

お隣に遊びに行くというには少し気合が入り過ぎているだろうか?

否、ヒナちゃん曰く戦はすでに始まっているんだ。

「……行こう!」

最後にさっと前髪を整えて、必要最低限の物を持ちうちを出る。

今日はヒナちゃんと約束をした8月2日。


鍵を閉めて3歩歩いた先には見慣れたドア。

表札には久賀山の文字。


「んんっん」


インターホンだってうちと同じものなのに、扉の向こうに一吹くんがいると思うと、ただ押すという行為にさえ緊張してしまう。



せっかくヒナちゃんがセッティングしてくれたんだから頑張らないと。


よし、と気合を入れて目の前のインターホンに軽く触れる。

すると、ピーンポーンと音が鳴り、数秒もしないうちにドアが開いた。




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