もう、離れるな 〜地味子×チャラ男の一途すぎる両片思い〜
「ねえ」



考え込んでいる俺に、看護師さんは言葉を重ねる。



「おばさんが余計なことをって思うかもしれないけど……話聞いてくれる?」



そういう枕詞を入れないと、話を聞かない子供だと、俺は思われていることがわかった。

普通なら、ただ頷けばいい場面かもしれない。

でも俺は、自分がどう見られているのか、どうしてそう見られるようになったのかを少しずつ理解してきている。

俺は、そのままでは……普通の人と同じではもう、自分の思いを伝えられないと分かっている。

だから俺は、あえてちゃんと言葉にする。




「教えてください。お願いします」




看護師さんは目を丸くしてから、ふっと優しく微笑んでくれた。



「やっぱり、見た目で判断してはダメね。ごめんなさいね」

「え」

「おばさん、あなたのこと、誤解してたわ」


その誤解がどう言うものなのかは聞かないようにした。

なんとなくわかるから。

その代わり


「誤解を解けるように頑張ります」


と声に出して宣言した。

それは、俺なりの決意表明。



「そうね。あなたはちゃんと言葉にした方が良さそうね」



そう繋げてから看護師さんは急に真面目な顔をした。



「その上で、残酷なことを言うわね。彼女のことは、やっぱりもう諦めた方がいいわ。あなたの人生のために」

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