俺の恋人のフリをしてほしいと上司から頼まれたので「それは新手のパワハラですか」と尋ねてみたところ
 モニカが少し照れながら、上目遣いでカリッドを見てそんな風に呼ぶ。もうそれだけでカリッドの心臓は通常の倍近く速く鳴り始めた。

(か、かわいい……)

 と言うのがカリッドの心の声である。だが、それを彼女に気付かれてはならない。なにしろこれはあくまでも恋人『役』なのだから。その気持ちを表情に出すようなことをしてはならない。

「いいか? 俺のことは今後、そうやって愛称で呼ぶように。恋人なのだから、愛称で呼び合うのは当たり前だ」

「わかりました、団長。あ」

「口づけ、二回だな。そんなに、俺と口づけがしたいのか?」

「そ、それは習慣というものです。今まで団長と呼んでいたのに、いきなり、その愛称で呼ぶなんて恐れ多いと言いますか、なんと言いますか」

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