2/3片思い
「あ、ありがと。いや、ちょっとびっくりしちゃってさ。」

「なんだか、俺が渡すモノって結構喜ばれてないこと多くない?コンサートチケットだってさ。」

「あれは、たまたまだよ。本当にありがとね。」

「ちぇ。あんまりありがたみ感じられねえ言い方だよな。」

タイスケはすねた顔をして、ポテトをつまんだ。

ちょっとかわいいって思った。

「松川のこととか、マヨのこととかで、もし寂しくなったら、いつでも俺誘えよ。飯食うのくらいならいくらでも付き合ってやるし。」

タイスケはコーラを勢いよく飲み干した。

「うん、ありがとね。でも別にあんた誘わなくても他に友達いっぱいいるし。」

あ、またかわいげのないこと言ってしまった。

「っていうかさ。お前って、本当にどうしようもなく、あれだな。」

「何よ、あれって。」

「もういいよ。面倒くせ。」

そう言いながら、前髪をくしゃくしゃとした。

「さて、と。明日も学校だし、そろそろ帰ろうか。」

タイスケは食べ尽くされたトレーを持って立ち上がった。

私もゆっくり立ち上がる。

あれ?

タイスケってこんなに背が高かったっけ?

松川くんと同じくらい?

「ねーねー。タイスケって身長何センチ?」

「は?また急な質問だねぇ。俺は183センチ。」

うわっ。

松川くんよりも3センチも高いじゃん!

通りで首が疲れると思った。

タイスケもいつの間にかそんなにでかくなってたんだ。

中学の時は私とほとんど変らなかったのにさ。
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