LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~
社長命令
永倉副社長との、熱く甘い一夜から、
1ヶ月が過ぎた。


その間、会社ではあの忌まわしい永倉副社長を何回か見掛けたけど。


向こうも私も、無視で。


意外に、失恋したのに胸も痛まなくて。

泣く事もないし。


きっと、あの日の事で一切永倉副社長に対する恋心が消え失せたのだと思う。


なんであんな男と私も寝たのだろう、と後悔はするけど。


そのおかげで、あの男の本性を知れたので、
いい勉強になったのだと、ちょっと泣き寝入り。


周りには、永倉副社長とのあの出来事は全て秘密なので、
今も私は永倉副社長が好きなのだと思われている。


そうやって、このまま何も変わらない日々を過ごして行くのだと思っていたのだけど。



「あのさ、西村、明日から暫く秘書課に移動してくれないか?」


「え?」


朝から神沢課長にデスクに呼ばれ、言われたのはそれで。


「実は、うちの香苗が妊娠してて…」


「え!おめでとうございます!」


「いや、まだ安定期じゃないから、オフレコで」


そう声を潜める神沢課長に、はい、と小さく返す。


「それで、香苗スッゴいつわりが重くて。
通ってる病院から、暫く入院をしろと言われていて。
いや、入院以前に、まともに働ける状態じゃなくて」


「香苗さん、大丈夫なのですか?」


前に会った鍋パーティーの時は、元気そうだったけど。


「まあ、大丈夫じゃないけど、こればかりは病気じゃないから治せないからなぁ」


私以上に、神沢課長の方が、香苗さんを心配している。



「実は、今日も香苗は会社を休んでいるんだけど…。
暫く、このまま香苗は休む事になる」


「はい。そうですよね」


「その間、香苗の代わりに岡崎社長の秘書を西村にお願いしたくて」


「いやいや、私に秘書なんて無理ですよ!」


あれだけ秘書課に行きたかったけど、
それは永倉副社長に近付きたいとかの打算からで。


それが無くなった今、秘書検定二級はあるだけで、その仕事に自信もなければ、興味もない。



「それが、岡崎社長自らの指名で。
うちの西村にって」


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