LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~

「これは、やっぱり文乃ちゃんにあげる」


「え、でも」


「今度は、文乃ちゃんの腕に巻いちゃおうかな」


そう言って、それを私の左手首に巻くと、蝶々結びにする。



それは、赤いリボンみたい。


永倉副社長も同じ事を思ったのか。



「ネクタイが運命の赤い糸みたいだね。
こうすると、リボンみたいだけど。
このままプレゼントとして、貰っちゃおうかな?」



その、プレゼントというのは、
私自身の事だろうか?


「今夜、うちに連れて帰っていい?」


子供のように首を傾げて訊いて来るその顔が、
本当に可愛くて、胸がキュンキュンとして。


無言で何回も頷いていた。


その後、二人とも2杯程カクテルを飲み。


いつもならば、こんな量で酔わないはずなのに、何故か凄く酔ってしまった。


もしかしたら、この酔いはお酒のせいじゃないかもしれない。


永倉副社長に酔っているのかもしれない。


その時、交わした会話は、ちょっとした仕事の話や、映画やお酒の話で。


バーの支払いも、気付いたら私の分も永倉副社長が済ませてくれていて。


タクシーで、約1駅の距離の場所にある、
永倉副社長が住むタワーマンションへとお持ち帰りされた。


永倉副社長のそのマンションの部屋はとても片付いていて、
リビングのシェルフに綺麗にフィギアやプラモデルが並んでいた。



「あ、ガンフォーマー懐かしい」



子供の頃観ていたアニメのロボットのプラモデルを見付けて、
テンションが上がる。


「俺も昔ハマって、よくプラモデル造ってて。
これが初めて造ったやつで、後は出来がいいのを数体飾ってるの」


そう言われ見ると、色も自分で塗ってるのか、とても綺麗。

< 8 / 76 >

この作品をシェア

pagetop