夢みる少女は、寂しがり詐欺師に騙されない。

ウサギのアパートで

ウサギとふたり



なにしてるんだろう?

私たち



「ん?…ウサギ?
今、なんかしようとした?」



「いや…別に…」



ウサギが目をそらした



ウサギが触れた頬が

熱い



ウサギ

耳赤い



「ウサギ…?」



「なんか…しようとした」



「ん…?…なに?」



「キス、しようとした
オマエが、かわいかったから…」



え…



キス?

かわいかった?



なに?



「ありがと
かわいいコート買ってくれて…」



キス

2文字は無視した



「コートじゃなくて…
…
オマエがかわいくて
キスしたくなった」



その2文字に

動揺する



「そーゆーのって…
私、したことなくて…
…
キスって
好きな人とするんだよね?」



ウサギは

まだ

私のこと好き?



「だから…
オマエもカレシできた時のために
練習しておいた方がいいと思って…」



「練習?」



「どんな気持ちかな…とか…」



「どんな気持ちなんだろう
…
好きな人とキスするって…」



ウサギとまた目が合った



「ごめん、オレ変なこと言ってるわ
…
練習とか…
そーじゃなくて…
…
オレ、まだオマエのこと好きだから…」



目の前にいる

好きな人がそう言ってくれてるのに



私はその人を

好きにならないようにしようとしてる



また

苦しくなる



「ごめん…私の方が変かも…
…
コート着て帰るね
ありがと」



また

ウサギの気持ち

無視した



最低だ

私



< 112 / 155 >

この作品をシェア

pagetop