夢みる少女は、寂しがり詐欺師に騙されない。

「ウサギ、気持ちよかった?」



「うん…ユメカは…?」



「すごく、幸せ…
…
ありがとう
…
私を、好きになってくれて…」



「ありがとう、ユメカ…
…
オマエに出会って
死にたくないって本気で思った」



死にたくない



私も



「私も…明日も…明後日も…
ウサギと一緒がいいよ」



ウサギの温もりも

ウサギの匂いも

ウサギの汗も



シーツに微かについた血も



生きてるんだって

実感できる



ずっと

一緒がいい



「ユメカ…一緒に生きよう」



ウサギが

強く抱きしめてくれた



瞳を閉じたら

涙が滲んだ



「泣くくらい痛かった?」



「ん…ちょっと痛かったけど…
…
ウサギが…ウサギが…
…
優しくて…大好きで…」



「麻酔足りなかったかな…
オレも緊張してたから…」



不安も

緊張も

痛みも

涙も

大好きも



全部

生きてるから



全部

嬉しくなる



「ユメカ…
…
ずっと一緒だよ
…
一緒にがんばろう
…
オレ、空飛べるようにがんばるから
ユメカもちゃんと戻ってこいよ」



「うん…
…
もっと叶えたい夢いっぱいあるから
ちゃんと帰って来るね
…
大好きだよ…ウサギ…」



「うん…
オレも大好きだよ…ユメカ…」



「ねぇ、コレって
今流行りの、ロマンス詐欺じゃないよね?」



「違うわ!」



「ウサギ、いってきます」



「いってらっしゃい」



ーーーーー



それから数日後

私は海外に発った



< 134 / 155 >

この作品をシェア

pagetop