社長の渇愛
ホテルの部屋に着き、二人共服を着たままシャワーに向かう。

亜伊はシャワーの下に立つと、何の躊躇いもなく湯を出した。
「キャッ!!!?亜伊!!急に……!!?」


「ダメだ、喉が渇いてしかたがない」
壁に手をつき、心花を閉じ込め額と額をくっつけた亜伊。


「え?あ、亜伊…?」
心花は、そっと亜伊の頬に触れた。

「━━━━━━なんで?」
亜伊は心花の手に自分の手を重ねて、目を覗き込んだ。
「え……?」

「なんで、俺に、助けを求めなかった?」

「え?それは…亜伊、お仕事中だったし……」

「何もかもが、今までの女と違う」

「え?」

「我慢、遠慮、謙虚、気遣い…俺の周りにはそんな女いなかった。
心花が、俺を捕えて放してくれない。
どんなに心花を求めて、キスして、抱いても……全く満たされない」

「ご、ごめんなさい……」

「違う!!謝ってほしいんじゃない!!
俺を欲して、頼って、依存してほしい。
俺、なんか難しいこと言ってる?」
「え?」

「依存と欲望」

「でも……」

「心花」
「は、はい!」
「亜伊、助けて!」
「はい?」
「亜伊、キスして?」
「あ、あの、亜伊?」
「亜伊、抱いて?」
「ちょっ…何を━━━━━」

「亜伊しか見えない」

「あ、亜伊?」

「そう言えばいいんだよ?
心花は俺だけを見て、俺を欲するんだ。
ほら、言って?
“亜伊、キスして”
はい、言って」

「あ、亜伊…キス……して」
「ん。いいよ」
「ンンン……んぁ…」

「心花、俺を見て」
「亜伊…」
「はい、言って。
“亜伊、抱いて”」

「亜伊」
「ん?」
「だ、だ…////い、言えません…////恥ずかし…////」
俯く心花。

「ダメだ、言って!!
もっと、恥ずかしくなるようなことしようか?」

「え……」
「早く、言って?
言わないと、ほんとにするよ?」
「わ、わかりました!言います!」
「はい、どうぞ」

(どうぞって……)
「亜伊…抱い……て…」

「フフ…可愛い……」
そう言うと、亜伊は心花の口唇を塞ぎ貪ったのだった。


ベッドのスプリングが軋む音が鳴り止まない。
何度果てたかわからない。

それでも亜伊は、心花を求めていた。

「喉が渇く。
心花、助けて……喉が渇くんだ。
もっと、俺を見て!俺を欲してよ……!
早く、俺を満たしてよ!」

心花は意識がなくなるまで、亜伊の苦しい声を聞いていた。


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