復讐の果て ~エリート外科医は最愛の元妻と娘をあきらめない~
〝君が好きだ〟

 何度も言われた愛の言葉。

 ある夜はキスをしながら。
 ある朝は目覚めたときの挨拶のように。
 啓介さんは微笑んで『莉子、好きだよ』と言ってくれた。

 でも私は自信がなくて、信じられなくて……。

「莉子。君は俺の宝で、命そのものだ」



 その夜、久しぶりに私たちは愛を確かめ合った。

「怒ってないの? 私を」

 啓介さんは私の頬を撫でながら微笑む。

「俺が悪いんだ。もっと君との時間を大切にするべきだった」

「あなたは忙しいんだもの当然――」
 言葉の途中で唇を塞がれた。

< 131 / 286 >

この作品をシェア

pagetop